FOLL [New Items]

”making wardrobe for you all.”

2025 Spring/Summer 〜Time be alone〜

ひとりの時間。
仕事に向かう朝、雨上がりの帰り道、タクシーの移動中、約束に向かうとき、たばこを吸っている時、シャワータイム、そして寝る前。25SSシーズンはそういった日常の中にある様々なひとりの時間を軸に製作に取り組みました。
ひとりの時間といっても、孤独や単独とは同じようで全く違う意味を含んでいます。
たくさんの方々と関わりながら日々を過ごしているからこそ感じることが出来るひとりの時間の重要性があると思います。

私には良い時も悪い時もそれが明確にあります。
良いときはリラックスしていて自然とポジティブな考え方が持てたり、普段気付くことが出来ないことに気づくことが出来て、悪いときは追い込まれていて、自分に対して失望したりします。

正直な自分と向き合うことは時に難しいこともありますが、私にとってとても重要で、贅沢でもあります。

今回は人それぞれのひとりの時間を認め、寄り添うことが出来るワードローブを目指しました。
ラインナップのベースはブランドが毎シーズン掲げる、毎日の日常着を想定したトラッドを砕いた要素と、実用性にフォーカスしたワークウェアの要素を中心に構成しています。

FOLLの核として捉えている黒よりも目立たない濃度限界の紺で製作したデイリースーツは、良原料のウールに和紙を混紡し揉み込んで洗ったダックの素材、インドのバラナシ地区で手紡ぎで紡績、手織りされたカディコットンを国内で染め上げ製作したセットアップ、独特の発色のラミーで製作したシャツやショーツ、サマーウール素材はスラックスに加えショーツも製作し、スウェットやTシャツにも組み込んでいます。

今期はネイビーと同様に、日本の中心でもある木造建築や生活圏にある土の色に馴染むダークブラウンを構想し開発に取り組みました。
紡績研究から24SSシーズンに初めてリリースしたシルクニットシリーズに加えて、特殊な染料顔料染めと柔軟工程を組み合わせたコットンリネンダック素材、柔らかい風合いのスウェード、和紙とコットン・レーヨンの3者混素材の畔編みニット、アンティークウォッシュを施したTシャツなどでそれぞれの素材に合うトーンで取り入れました。

また、ひとりの時間で実際に感じた日常の魅力も部分的にコレクションに盛り込みました。
水平線から見える朝焼けや雨が降る前の夜空を表現したスウェットシリーズや、虹に着想した手染めのジーンズ、雨の日に水たまりを踏みつけて付いたパンツへの水しぶきから着想したサマーチノ、洗濯で移染したTシャツの雰囲気を落とし込んだグラデーションのシャツ、夏の掛け布団として使い込んだ毛布の風合いから着想したコットンリネンネルのパジャマスーツ、海で波の満ち引きによって変化した砂浜・急な雨の雨宿りで見た鮮やかな路面のグラデーションをインスピレーションに幾つもの加工工程を重ねて製作したジーンズなど様々な切り口で表現しました。
ひとりの時間のようにFOLLの洋服がワードローブとなり、着用者が自身を見失いそうになった時に少し勇気を与えられたり、そっと寄り添えるような存在であれたら嬉しく思います。

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